平成25年度 第2回企画展

富士山世界文化遺産登録記念特別企画
ドキュメンタリー富士

会期:2013年7月17日(水) ~ 9月16日(月・祝)

Part 1:7月17日(水) ~ 8月11日(日)

Part 2:8月13日(火) ~ 9月16日(月・祝)

富士山は、古来より「信仰の対象」「名山としての景観」「芸術の源泉」として、世界的に知られており、人々はその山にそれぞれの思いを託してきました。同時に、富士山は世界で最も多く被写体になっている山でもあり、これまでさまざまな富士が生み出されてきました。本展では、浮世絵を江戸時代のドキュメンタリーとして捉え、名所絵師として名を馳せた歌川広重晩年の作『冨士三十六景』『不二三十六景』と、浮世絵に魅せられたイギリス人写真家クリス・スティール=パーキンスの「富士40景」をご紹介します。
カメラワークを思わせる近代的で写真的な構図で富士山を、時には主題として、しかし主に江戸庶民の生活の一存在としてリアルに捉えた広重と、富士山をあくまで一つの焦点として用い、そこから日本社会を捉えようとするパーキンス。日常のさりげない風景の中に見出された一瞬が、時代を超え、国を超え、浮世絵と写真というその時代に即したメディアで残され続けています。
さて、日本人の生活の中で富士山の果たす役割は、江戸時代から現在でどのように変化してきたのでしょうか?その変化は江戸時代以降の現代の日本社会の大きな変化を明確に写しているに違いありません。

□主催:静岡市東海道広重美術館[NPO法人ヘキサプロジェクト]

□協力:MAGNUM J400 JAPAN AIRLINES

展示作品

『冨士三十六景』
冨士三十六景は竪大判の錦絵で、広重が没する安政五年(1858)に版下絵が制作され、翌年に版元蔦屋吉蔵から出版されました。竪長の画面を生かすために俯瞰図法を用い奥行を広く取って遠近感を出したり、近景のモチーフを拡大して描く「近像型構図」を用いた画面構成が斬新な作品です。

『不二三十六景』
不二三十六景は広重が描いた最初の冨士三十六景シリーズで、嘉永五年(1852)頃、版元佐野屋喜兵衛から刊行されました。大きさは横中判で『冨士三十六景』のちょうど半分です。広重の横絵作品には珍しく「東都両國橋下」や「駿河田子の浦」において「近像型構図」が用いられ、晩年の画風変遷を辿るうえで重要な作品です。

イベント

参加アーティスト プロフィール

クリス・スティール=パーキンス
1947年ビルマに生まれ、1949年イギリスに移住。
1979年からマグナムに参加、83年より正会員。イギリス国内の他にアフリカ、中南米、レバノンなど世界各地の紛争地や社会情勢などの取材を始め、1988年オスカー・バルナック賞と英国で最も優秀なフォトジャーナリストにおくられるトム・ホプキンソン賞を受賞、1989年にはロバート・キャパ賞受賞する。1992年には4年をかけてアフガニスタンを取材し、写真集「アフガニスタン」にまとめる。
www.chrissteeleperkins.com

各種情報

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