次回開催の展覧会

令和7年度 第2回企画展

流行の仕掛人
~蔦屋重三郎と版元の仕事~
同時開催:現代に続く版元 芸艸堂

2025年7月15日(火)~9月15日(月・祝)

Part 1:
7月15日(火)~8月11日(月・祝)
Part 2:
8月13日(水)~9月15日(月・祝)

※各会期で絵画作品は全点展示入替があります。

浮世絵の企画・制作・販売を統括した江戸時代の出版社であり、プロデューサーでもある版元。本展ではそんな版元にスポットを当てた企画展を開催します。大展示室では歌麿や写楽を見出した蔦屋重三郎をはじめ、広重作品を手掛けた版元たちを紹介。また作品からわかる版元たちが仕掛ける工夫や版画ならではの特徴などを紹介します。

版元(はんもと)とは

版本(印刷本)の出版本屋のことで、単なる売り広めや取り次ぎの本屋とは区別し、出版の権利や責任も担う本屋をいいます。江戸では実用書や学問的な固めの書物(物の本)を扱う書物問屋と、草双紙といわれる絵本や絵入りの娯楽短編小説などを扱う地本問屋(絵草子屋)に分かれ、浮世絵版画は後者の地本問屋から刊行されました。

次回開催の展覧会
主催:
静岡市、静岡市東海道広重美術館
(指定管理者:特定非営利活動法人ヘキサプロジェクト)
協力:
アダチ伝統木版画技術保存財団、静岡県立中央図書館、
   静岡市立中央図書館、美術書出版株式会社芸艸堂
後援:
NHK静岡放送局

展示作品

展示の見どころをちょっと見せ ①

蔦屋重三郎 つたや じゅうざぶろう

初代蔦屋重三郎が刊行した版本・浮世絵から四代目の蔦屋重三郎が序文を書いた作品まで「蔦屋」の作品を紹介!

蔦屋重三郎 寛延三年~寛政九年(1750~1797)

蔦屋重三郎 版元印江戸新吉原に生まれ、耕書堂[こうしょどう]と称した版元で、商標は「富士山形に蔦の葉」。浮世絵では喜多川歌麿や東洲斎写楽を見出したことでも知られる江戸時代を代表する版元のひとつです。初代の没後は番頭が二代目を継ぎ、書物問屋・地本問屋としては四代目まで続きました。
歌川広重は初代没年の生まれのため、初代から刊行された作品はありませんが、三代目もしくは四代目の蔦屋重三郎から刊行された広重作品があります。

※蔦屋重三郎(耕書堂)の版元印のデザインは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の商標です。

[Part1 展示作品]
歌川広重『道中膝栗毛 小田原泊り』当館蔵

展示の見どころをちょっと見せ ②

広重作品を刊行した版元たち

初期の作品から晩年の作品まで、広重作品を刊行した版元たちを作品と共に紹介!

代表作『東海道五拾三次之内』を刊行した
「竹内孫八 保永堂」

[Part1 展示作品]
歌川広重『木曽海道六拾九次之内 拾四 高崎』当館蔵
竹内孫八 保永堂 版元印

晩年の傑作『名所江戸百景』を刊行した
「魚屋栄吉」

[Part1 展示作品]
歌川広重『名所江戸百景 水道橋駿河臺』当館蔵
魚屋栄吉 版元印

北斎の『冨嶽三十六景』も刊行した
「西村屋与八 永寿堂」

[Part2 展示作品]
歌川広重『平忠盛』当館蔵
西村屋与八 永寿堂 版元印

展示の見どころをちょっと見せ ③

版元の仕事と売り出し方の工夫

版画になる前の直接原稿!版元が絵師に描かせた版下・画稿

[Part2 展示作品]
歌川広重『諸國名所』(下絵・画稿) 当館蔵

展示の見どころをちょっと見せ ④

絵の中に隠れた版元の宣伝

ふすま紙のデザインとして隠れている版元 伊勢屋利兵衛の商標

[Part1 展示作品]
歌川広重『木曽海道六拾九次之内 三拾 下諏訪』当館蔵

同時開催:現代に続く版元 芸艸堂

小展示室では現在でも京都にて木版印刷の書籍を刊行している版元の「芸艸堂」の協力による特別展示を行います。

芸艸堂 [うんそうどう]とは?

芸艸堂は、明治時代から続く出版社で、所在地は京都の寺町二条です。創業当初から木版印刷による出版を多く手がけており、現在でも木版本の出版を続け、次の世代に遺す出版物の刊行にこだわっています。芸艸堂の社名は京都の文人画家 富岡鉄斎により命名されました。「芸艸」とはミカン科の多年草で、柑橘系の香気が虫よけになると書物に挟んだことから出版社にふさわしい名前として名付けられました。

木版画「孔雀明王像」

世界最大級の木版画。初版は1904年。光村利藻(光村印刷株式会社 創業者)により制作。アメリカセントルイス博覧会に出品。1991年再版の際、芸艸堂が制作。

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